後継者不足に歯止めを!新鮮野菜をその場で食べられる農業婚活イベントの狙いとは?

2018年、農林水産省が発表した「農業就業人口及び基幹的農業従事者数」によれば、農業就業人口は181.6万人。うち7割以上の120.7万人が、65歳以上の高齢者という結果が出ています。

農業界の高齢化が進む最大の要因は、後継者不足によるもの。農家出身でも後を継がない若者や、専業農家や兼業農家の跡を継ぐ嫁が来ないことなど原因は色々と考えられます。後継者がいなければ、還暦を迎えても現役で働き続けるしかありません。

そんな中、ここ数年人気を集めている婚活イベントがあります。それが、株式会社農協観光と株式会社パートナーエージェントが共同で開催している「農業婚活」です。同イベントの狙いは、跡取りを嘆く農業従事者と農業に興味関心がある女性をマッチングすること。

一体どんなイベントなのか、株式会社農協観光の営業企画部マネージャーの梅澤大助(うめざわ・だいすけ)さんに、詳しくお話を伺ってみることにしました。

<話を聞いた人>

梅澤大助(うめざわ・だいすけ)さん

株式会社農協観光 営業企画課専任マネージャー。株式会社パートナーエージェント(結婚相談所、婚活パーティなど婚活支援サービスを提供)と共同の農業婚活イベントを多数企画、開催している。

後継者不足を解消するキッカケに

ーー早速ですが、農業婚活をはじめたキッカケを教えてください。

梅澤さん:弊社はJAグループの旅行会社として、日頃から農家組合員さんとの接点が多い会社です。そのなかで、地域の農家の方々や組合員から、「うちの息子はいい歳なのに結婚もしないで……」と後継者の目処が立たないことを不安視する声をいただくことが多くあります。日頃からお世話になっている農家さんに対して少しでも恩返しができたらと想い、パートナーエージェントさんと共同での農業婚活がスタートしました。

ーー農業婚活イベントでは具体的にどんなことをするのでしょうか?

梅澤さん:パーティーイベントが中心で、ここ最近ですとホテルのレストランを貸し切ってのブッフェ形式が多いですね。婚活イベント開催会場の最寄駅からすぐの、駐車場があるアクセスしやすい場所を選んで運営しています。

ーー農作物の収穫や採れたての食材を使った料理企画など、てっきり体験型のものが多いものかと思っていました。

梅澤さん:体験型のイベントも、もちろんあります。以前は、参加する女性に農家さんに出向いてもらい、果物狩りや野菜収穫をしてもらう体験型のイベントも数多く実施していました。ただ、いきなりバスに乗せられて農場へ行くことに抵抗を持つ女性も多くいます。また、農家側も体験用の農場を用意したり、参加女性のフォローをしたりで気疲れしてしまうんです。

ーーでも、ただ単に会場で食事をして異性と軽くお話をするだけだと、ほかの婚活パーティーとあまり変わらないですよね。

梅澤さん:おっしゃる通りです。実際、農業婚活イベントをスタートする直前まで、とにかく男女の会話だけに重きを置いた内容を考えていました。

ですが、それだと普通の婚活イベントと何も変わらないうえに、人と会話が苦手な農業従事者にスポットを当てられないのではないかと。農業従事者の多くは、人と会話するのが苦手なシャイな方が多いものですから。

参加男性が作った野菜を当日のお料理として提供

ーーたしかに農業従事者の方々は、野菜作りには一切の妥協を許さない職人気質というイメージがあります。

梅澤さん:気難しい一面はあるかもしれないですね。ただそれは、自分が育てた農作物や技術に絶対の自信やプライドを持っているからだと思います。実際に話をしてみると、真面目で優しい性格の方が非常に多いんです。

だからこそ、農業従事者が主役で話せる場にしたいと思いました。パートナーエージェントさんと話し合いを重ね、参加する男性それぞれが育てた野菜を何種類か持ってきてもらい、当日のブッフェメニューで提供するようにしたんです。

ーー会話のとっかかりになりそうですね! どんなお料理を提供しているんですか?

梅澤さん:調味料で味付けした手の凝った料理というよりも、サラダ、炒め物、バーニャカウダなど素材そのものの味を感じられるメニューが中心です。テーブルにお料理がただ並べられているよりも、「4番の佐藤さんが育てたトマトを使ってサラダにしました」という説明がひと言あるだけで、見え方が180度変わるんです。

ーー見え方が変わる?

梅澤さん:はい、農業や食に対して興味を持ってもらいやすくなります。ただ単に食事をしながら会話を楽しむだけではなく、どんな人がどんな想いを持って農業に従事しているのかを知ってもらうキッカケになっているんです。

最近は、無農薬や有機野菜といった自然派志向の方や、食に興味関心のある女性の参加が増えていますからね。作り手が見えると安心感があるので、「野菜のことを詳しく聞いてみよう」「食べてみよう」と思ってもらえます。

出会いのキッカケと同時に農業の正しい知識を学ぶ場でもある

ーーコミュニケーションが苦手な方でも、話せる話題が自分のフィールドだと「会話が続かなかったらどうしよう」と心配する必要もありませんね。

梅澤さん:はい。「おいしいイチゴの見分け方」「オススメの調理方法」など、目をキラキラ輝かせながら本当に楽しそうに話してくれます。そういった、農業従事者のうちに秘めた熱い想いを引き出し知ってもらうことも、僕らが農業婚活イベントをおこなっている目的でもあるんです。

ーー「作り手の顔が見える」というのは、いち消費者としても安心感がありますね。

梅澤さん:私たちにとって「食」というのは1日3回関わるもの。生きていくうえでは絶対に欠かせないものです。だからこそ、農業従事者との会話を通して、「食の大切さ」「日本の農業」について考えるキッカケになればとも思っています。

ーー農業女子がブームになったのも最近のことですね。

梅澤さん:農業に興味があり、将来は自分で就農したい女性の参加者も数多くいらっしゃいます。ただ、農家に嫁ぎたいと考えている女性のなかには、未だに「農業=重労働」と間違った認識を持っているケースがあるんです。

でも実際は、テクノロジーの進歩によって現場で使用する農業機器は、すべてオートメーション化されています。土の栄養分をセンサーで感知して、必要な肥料を撒いて栽培作物の糖度を自動化できるようになっているくらいですから。

ーー私の親戚が専業農家を営んでいるのですが、嫁ぐ際に姑から「そんな細い体じゃ農家の嫁は務まらない」と言われたそうです。農作業がオートメーション化されることで、家庭環境の問題も軽減されるのでしょうか?

梅澤さん:たしかに昔は、農家に嫁ぐ女性も「農業従事者の1人」として数えられることも多かったと聞いています。そのため、姑からあまり歓迎されず確執が生まれてしまうこともあったようです。

しかし今は、以前のような嫁姑問題もだいぶ少なくなり良好な関係を築けるようになっています。オートメーション化によって、マルシェへの出店やSNSでのPRといった、農作業以外の面に力を入れられるようになっているんです。

農家に嫁ぐ条件を厳しくしたところで、後継者不足の問題解決にはつながりません。農家さんもそれをよく理解しているので、できることとできないことを、お互いにフォローし合う関係性を大切にするようになっているんです。

ーーFacebookやTwitterで発信することで地元のPRにもつながりますね。

梅澤さん:そうですね。SNSをキッカケに、地元を訪れる人が増えれば町も活性化されていきます。それに何より、農家へ嫁ぐことへのハードルが下がれば、少子化対策にも繋がりますから。

ーー後継ぎの目処ができれば家業も守られますね。

梅澤さん:人口減少を防ぐことはもちろん、地域農業や日本の農村風景が守られ、町が活性化されていきます。また、農家や地域が元気になれば、私たち消費者の安全で安心な食卓も守られていきます。それがJAグループの一員である私たちの目指す姿でもあると考えています。

ただ、それを実現できるまでには、正直まだまだ時間はかかります。少しずつではありますが、出会いはもちろん、農業の正しい知識や日本の食文化についても、農業婚活を通して考えられるキッカケとしてどんどん広げていきたいです。

まとめ

農業婚活は、後継者不足に悩む農家にとっても、将来は農家へ嫁ぎたいと思っている女性にとっても、交流を持てるキッカケにになる人気の婚活イベントです。「ライフスタイルのなかで同世代の女性と会う機会が必然的にやってこない」「就農したいけど何からはじめればいいかわからない」という方はぜひ一度、参加してみてはいかがでしょうか。

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